土と平和の祭典 その2





早速このブログを見てくださった方から


リレートークで何を話したか



それが知りたい、とのリクエストがあった。



僭越ながら少し話の内容を。




今回は日本の食糧問題について話した。


皆さん当然ご存じだろうが


今の日本の食糧自給率は40%程。




民主党は50%まであげるとしているがこの数字を

クリアするには大変な努力と時間が必要。



でもやり遂げなければ行けない。





そんな中、よく生産者、消費者というくくりで

農業食糧問題が話されるのだが



今回も同じステージに上がっている

愛媛の無茶々園で作られているミカンは



ここ大潟村では当然出来ない。



ミカンに関してだけでも、私は消費者だ。



自分で栽培いているもの以外は全て消費者なのである。




であれば、生産者、消費者というくくりは止めて


日本の食について考えるべきではないか、と。




あえて言うなら、日本に住む生活者として食の問題に


正面から取り組むべきではないのか。



米ですら輸入されている現在



自給率を50%にすると言うが、今の米の生産原価は


大潟村では玄米60kg(1俵)11000円ほど。




今年のあきたこまちの農協買い取り価格は

12300円。




農家の利益は1300円。




これでは自給率も上がらず


まして後継者など育つ環境にあるはずがない。





再生産可能な正当な価格というものが必ずあるはずで



企業はこの計算が成り立たなければ倒産する。





であれば、農産物価格を適正化するべきだと。






それから、日本は過去の歴史において


食糧争奪の戦争をしたことがない国である。




紀元前から大陸では自国の民を餓えさせないために


自国に食糧が無いと戦争をしてまで食糧を確保した歴史がある。




しかしながら日本は島国だったおかげか、そう言う歴史がない。



そのため、食糧に対してかなり鈍感になっているのではないか。




現代社会において、自国の民を餓えさせてまで、日本に



食料を輸出してくれる国など無いはずである。




しかし日本人は未だに金の力にものを言わせて


輸入し続けられると思ってはいないだろうか。




きっとそんなことは絶対無い!



なぜなら日本が逆の立場になったら絶対輸出などしないのだから。






そしてもう一点。



昨年までの数々の原料偽装や餃子事件。





その時は大騒ぎするが、のど元過ぎれば忘れてしまう。


果たしてそれでいいのだろうか?




私たち大人は、未来を担う子供達に



何を食べさせたいのか、



今まさに待った無しで国民的議論をしなければならないと思う。





このような話を、祭典というおめでたい場にはそぐわないかとも思ったが


あえてさせて貰った。




ただ、話の内容が重すぎたのか



残念ながら質疑応答では会場からの意見質問等は出なかった・・・。



でも聞いてくださった方には私の思いが伝わったのでは



と、一人勝手に思っている。



これからもずっと、私はもの申す百姓であり続けたい。


話さなければそれで満足していると思われるかもしれない。



本当に生活者として、日本に住み続けるにはどうすればよいのか



共に考えるべきである。

by hanasaka0 | 2009-10-20 11:32